最新の薬機法変更点と注意点【2018年決定版】

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はじめに

2014年に改正されて以来、もうすぐ5年が経とうとしている薬機法ですが、そもそも薬機法とはどんな法律なのか知らないという方も割と多いのではないでしょうか。
薬機法に限らず、法律では施行から5年ごとに改正の余地がないか検討されることになっており、薬機法については2019年に向けて改正に関する議論が今なお進行している最中です。
ただ、法律関係者ではない人間が薬機法の実態についてインターネットで検索しようとしても文献が見つからない、あるいは内容がサイトや筆者によってまちまちであるといったことがしばしば見受けられます。

そこで今回の記事では、2018年時点で最新の薬機法に関する変更点、および注意点について解説します。
特にアフィリエイターやライターのように記事を執筆する機会のある方ほど知っておきたい法律なので、知識がないという方はこの記事を参考に薬機法について勉強してみましょう。

1章 薬機法とは何のために存在するか

この章では薬機法の細かな部分について解説していく前段階として、薬機法とはそもそも何のために存在する法律なのかという点から解説していきます。
冒頭でも述べたように、記事を執筆する方には必須の知識が詰まった薬機法ですが、具体的にはどのような目的をもって制定されたのでしょうか。

1-1 薬機法とは何か

日本の法律の正式名称は何かと長いものが多く、基本的にマスメディアで取り上げられる法律についてはそのほとんどが略称になっています。
この薬機法もまたその一つで、正式名称を医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律と言います。
日本国内での医薬品・医薬部外品・化粧品・医療器具の製造から販売に至るまでを規定し、医薬品等の表示方法を義務付けるなどの内容が明記された法律のことを指します。
その延長線上として、媒体を問わず広告を出稿する上で、薬機法が定める表現を逸脱していないかどうかで薬機法の抵触の有無が問われることになります。
これまでであればウェブ広告やCM、チラシなどの集客目的での広告が主として規制されてきましたが、近年では医療機関のホームページや個人ブログまで規制の対象として取り扱われるようになりました。

ここではまず、薬機法は消費者の生命および健康の安全性を守る観点から規定された法律ということを頭の片隅に入れておきましょう。

1-2 薬機法の広告規制とは

前項でも解説したように、薬機法では広告の表現について規制する文言が明記されています。
その一部分を抜粋すると以下のようなものがあります。

「何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の名称、製造方法、効能、効果又は性能に関して、明示的であると暗示的であるとを問わず、虚偽又は誇大な記事を広告し、記述し、又は流布してはならない。
医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品の効能、効果又は性能について、医師その他の者がこれを保証したものと誤解されるおそれがある記事を広告し、記述し、又は流布することは、前項に該当するものとする。
何人も、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器又は再生医療等製品に関して堕胎を暗示し、又はわいせつにわたる文書又は図画を用いてはならない。(第六十六条)」

「政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品又は再生医療等製品であつて、医師又は歯科医師の指導の下に使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、厚生労働省令で、医薬品又は再生医療等製品を指定し、その医薬品又は再生医療等製品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品又は再生医療等製品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。(第六十七条)」

「何人も、第十四条第一項、第二十三条の二の五第一項若しくは第二十三条の二の二十三第一項に規定する医薬品若しくは医療機器又は再生医療等製品であつて、まだ第十四条第一項、第十九条の二第一項、第二十三条の二の五第一項、第二十三条の二の十七第一項、第二十三条の二十五第一項若しくは第二十三条の三十七第一項の承認又は第二十三条の二の二十三第一項の認証を受けていないものについて、その名称、製造方法、効能、効果又は性能に関する広告をしてはならない。(第六十八条)」

出典:厚生労働省

つまりこの文言では、誇大広告の禁止、がんなどの特定疾病の広告規制、承認前の医薬品の広告禁止が主に明記されています。
薬機法では
①医薬品
②医薬部外品
③化粧品
④医療器具の4つに関して広告の規制を設けています。

それでは、これらの商品に関する広告で同法に抵触する表現があった場合、どのような罰則が適用されてしまうのでしょうか。

1-3 薬機法の罰則とは

薬機法もまた日本国憲法の一つであるため、違反すればもちろん罰則が適用されてしまいます。
50〜300万円程度の罰金もしくは5年以下の懲役が課せられることがあり、過去には薬機法に抵触する記事を執筆したとしてライターが逮捕された件もあります。
また特定の媒体で出稿拒否が繰り返されれば、媒体側の一存でアカウントが強制停止される恐れもあります。
あるいは警察や行政機関から違反広告への指導が入り、仕事の依頼先である広告会社がASPから削除させられることもないとは言い切れません。
薬機法の対象である商品に関する記事や広告を執筆するのであれば、たとえ個人ブログといえども注意が必要です。

2章 薬機法の変更点とは

現在進行形で改正に向けての議論が進められている薬機法ですが、2019年度以降ではどのような点が変更される可能性があるのでしょうか。
要約すると以下のようになります。

①革新的な医薬品などへの迅速なアクセス
医療上で画期的とされる医薬品などを迅速に承認するための制度や、世界的な臨床上のデータを承認審査ならびに市販後の安全対策に活用する制度などが検討されています。
主にはAIや核酸医薬、ゲノムによる個別化医療、ビッグデータなどの革新的な医療技術の進歩に対応することを視野に入れたものです。

②適切な製造・流通・販売の確保
医薬品などが消費者の手に届くまでのルートに携わる管理者および責任者の責務の明確化と、薬機法違反に関する新たな行政措置の導入が検討されています。

③医薬品の安全な入手
地域包括ケアシステムの中で国民がより利益を享受できる医療体制の推進や、遠隔医療に関するICT技術の活用策などを明確化するための論点となります。

法律は5年ごとに時代に即する形となっているかが適宜議論されますが、薬機法もまた近々変更される可能性があります。
法律が変更されればこれまでは当たり前に行われていた事柄も、転じて違反行為として罰則の対象となりうる場合があります。
薬機法が本格的に変更されるかはともかくとして、関連するニュースは逐一確認しておくことをおすすめします。

3章 薬機法の注意点とは

薬機法が今後変更されることもまた念頭に置く必要がありますが、現状の薬機法についての知識を知らなければどういった内容が薬機法に抵触するのかを把握することもできません。
この章では最後に薬機法の注意点として、以下のようなことを抜粋してみました。

①安全性や効果効能を謳ってはいけない
薬機法では対象となる商品の効果効能を謳ってはいけないという規定があります。
また使用前後の画像を使用してビフォー・アフターを示すような表現方法も基本的にNGです。
第三者機関による客観性のあるデータでもない限りは、安全性や効果効能を謳うことはできません。
特に利用者による体験談も薬機法に抵触する根拠のない情報となりうるので注意が必要です。

②医療関係者や公的機関の推薦文言を含まない
薬機法の対象となる商品については医療関係者や公的機関からの推薦文を載せる広告がしばしば見かけられますが、消費者の誤認を促しかねないためこれもNGです。
臨床データが取れていて真実を語っているとしても、その効果効能を保証する表現は薬機法に抵触してしまいます。

③特定疾病の名前は含まない
がんや高血圧、糖尿病など国が定める特定疾病については、その名前を記載するだけでも薬機法に抵触します。
その名前があることで消費者の不安をむやみに煽る可能性が考えられるため、どうしても特定疾病を想起させたいのであれば病名ではなく柔らかな表現に言い換えるべきです。
例えば「高血圧」ではなく「血圧が高めの方」といった具合です。

④比較や最大級の表現もNGに
比較表現は特に広告業界では敬遠されるものですが、同社の商品同士を比較する表現であれば特に問題ありません。
ただし「業界トップ」、「日本で一番売れている」などの最大級の表現も薬機法ではNGとされています。

⑤二次表現を含まない
化粧品や医薬部外品に多いとされるのが「~だから…である」という二次表現です。
例えば「シミ・しわが改善されるので、美肌効果があります」と謳ってしまうと薬機法に抵触してしまいます。
この場合ではその商品で認可された成分の効果と因果性のない効果を結びつけてしまうのはNGだと理解しておけばいいでしょう。

この他にも細かく言えばさまざまな注意点があるとは思いますが、その全てを網羅することはなかなか難しいのが現状です。
法律の規制により広告や記事が思うように書けないと悩む方も多いでしょうが、これも自分を含めた消費者の生命や健康を守るためと心得て表現方法を工夫することが大切です。

まとめ

薬機法は消費者の生活の安全性を保証するために存在しますが、記事や広告の訴求力を削ぐ内容が含まれることは否めません。
しかし厳密には同法に抵触するとされる具体的な表現の仕方も定まっていないことも知っておいて損はありません。
商品の魅力を最大限に表現するためにも最低限のルールは守り、どう言い換えれば訴求力を高められるのかを常に考え続ける柔軟性が今まさに問われています。

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